藤岡市岡之郷。
南毛霊場多野藤岡三十三観音の一番札所に数えられる観音寺。
境内入口に建つ仁王門の軒下で、屋根を支えているのは天邪鬼(あまのじゃく)の彫像。
「はて?何故こんなところに?」と思いますが、調べてみるとこれがなかなかに面白いんです。
実はこのような邪鬼、法隆寺五重塔や唐招提寺金堂など西日本を中心に各地の寺院で軒を支えているそうです。
仏教では人間の煩悩を表す象徴として、四天王や執金剛神に踏みつけられている邪鬼。
特に天邪鬼は他人の言うこと為すことにあえて逆らった言動をとることから、「ひねくれ者」の代名詞として使われるようになりました。
そんな何事にも反発する力を利用して屋根を支え、建物を守るマジナイに邪鬼を置いたそうです。
(この天邪鬼には何の荷重もかかっていないようですけどね。)
いにしえの宮大工たちの粋なウイットで置かれた天邪鬼。
邪悪な顔つきも、積年の苦労を考えると何だか愛おしく感じませんか? ^^
観音寺
藤岡市岡之郷甲439
℡:0274-42-5570