御射鹿池をひとしきり撮り終えたところで時計を見ると、まだ6時。
まさに朝飯前の時間、はて、これからどうすんべ?
小淵沢で
駅弁食べて、小海で
パイでも買って帰ろうか?
それとも諏訪で
塩羊羹と
小津安二郎の酒でも買って、いっそ松本で
蕎麦三昧?
選択肢はいくつもあったのですが、折角なのでこの時期ならではの絶景をと。
来た道を白樺湖まで戻り、ビーナスラインへ。
向かったのは・・・
妙な言い方だが、山には、登る山と遊ぶ山とがある。前者は、息を切らし汗を流し、ようやくその項上に辿り着いて快哉を叫ぶという風であり、後者は、歌でもうたいながら気ままに歩く。もちろん山だから登りはあるが、ただ一つの目標に固執しない。気持のいい場所があれば寝ころんで雲を眺め、わざと脇道へ入って迷ったりもする。当然それは豊かな地の起伏と広濶な展望を持った高原状の山であらねばならない。霧ヶ峰はその代表的なものの一つである。
山好きの方であれば、冒頭の一節だけでピンとくる、深田久弥著「日本百名山」にも選ばれた霧ヶ峰です。
霧ヶ峰は、諏訪湖の北東に位置し、車山を主峰とする溶岩台地。
久弥の言葉そのままに「豊かな地の起伏と広濶な展望を持った高原状の山」であり、日本最南端の八島湿原や、車山、
踊り場の高層湿原の美しさで知られます。
田中澄江の花の百名山にも選ばれる霧ヶ峰は、初夏はレンゲツツジ、盛夏はニッコウキスゲ、
秋にはマツムシソウの大群落が咲き揃います。
また、信州のほぼ中央に位置するため、間近に望む八ヶ岳を筆頭に、富士山、南アルプス、
ビーナスラインが続く美ヶ原から北アルプスまで、360度の素晴らしい展望にも恵まれています。
梅雨の晴れ間の土曜日、車山肩の駐車場に着くと、既に多くの車で満杯。
やはり、ここにいたのも三脚を担いだアマチュアカメラマンたち。
お目当ては、緑の草原の中で燃えるように咲くレンゲツツジです。
そのオレンジ色に負けじと白い花を天に向けるのはコバイケイソウ。
七月の声を聞けば、やがてニッコウキスゲの黄色に覆われる霧ヶ峰。
久弥に倣い、歌でもうたいながら気ままに歩き、気持のいい場所があれば寝ころんで雲を眺めたい、
天上の楽園なのです。




