茶房 読書の森

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小諸の街からは千曲川を挟んで仰ぎ見るテーブル状の高原、御牧ヶ原(みまきがはら)。北東に浅間山を望み、全方位に地平線を持つこの台地は、奈良・平安の昔、朝廷へ献上する御料馬を育てる牧場であったことをその名に残しています。平成の今もなお、文字通りの牧歌的風景が広がる御牧ヶ原の小高い丘に建つのが「茶房 読書の森」。ひと月ほど前に嫁と二人で初めて訪ね、今回は末娘も連れての再訪となりました。大きな三角屋根と煙突が目印のロッジ風の一軒家。文学とビートルズをこよなく愛すご主人と、染色作家でもある奥さんが「言葉を大切にする場所と時間を作りたい」と願いスタートしたこのカフェは、今年で15年目を迎えます。店内には可愛らしい絵本からロシア文学まで様々な本が所狭しと並び、まるで小学校の図書室のよう。オーナーご夫妻と一緒に店の番をするのは、愛犬のノン(♀)。今年で10歳を数える彼女は誰にでも人懐こく、店の入口、ときには駐車場まで出迎えにきてくれます。ただ、訪ねたこの日は前日に多くの人の集まった店内ライブがあったとのことで、少々お疲れのご様子。店内を優しく暖める薪ストーブの前でくるりと身体を丸め、スヤスヤと夢の中でした。ノンのすぐそばのテーブルに着き、木製の絵本になっているメニューから私はロイヤルミルクティー、嫁と娘はそれぞれモカとホットミルクを注文。店名の通り、本棚から気に入った本を取り、浅間山麓の湧き水で淹れられた極上の珈琲や紅茶をのんびりと味わうのが「読書の森」ご推奨の過ごし方。やがて運ばれてきた温かい一杯を味わいながら、本を読んだり、いつも明るい笑顔の奥さんと話をしたりと。その居心地の良さに時の経つもの忘れてしまいます。しばらくして身体も温まってきたので、娘と一緒に店の周りを散歩しようと立ち上がると、それまで寝息を立てていたノンもムックリと。背筋をピシーッと、大きな伸びを一回すると、「ついてきて」とばかりに入口のドアに向かって歩き出すノン。どうやら散歩の案内役をしてくれるようです。まず案内されたのは、モンゴルの移動式住居「パオ」の建つ店舗裏の原っぱ。宮沢賢治の童話にちなみ「茨海小學校跡地」と名付けられたこの原っぱでは、不定期に野外コンサートなどのイベントも行われています。「茨海小學校跡地」の住人はロバのジグ(4歳、♀)。御牧の野原で平和と牧歌の象徴であるロバが草を食む姿を見てみたいという、ご主人の夢の結晶が彼女です。ノンにしてみれば、可愛い妹、ジグにもぜひご挨拶を、と言ったところでしょう。ジグへの挨拶を済ませると、次にノンが向かったのは店の前の一本道。そこからはどうやらお決まりの散歩コースらしく、時折こちらを振り返りながらもスタスタと歩き出しました。これはもうノンにお任せだねと、娘と一緒について行くことに。間もなくアスファルトの道を外れ、田んぼのあぜ道を歩き始めたノン。娘の足元をぐるっとひと回りすると、小走りになって先のほうへ。ペロッと舌を出したその顔は、まるで娘を追いかけっこに誘うかのように楽しげな表情でした。稲架の終わった空っぽの田んぼ。遠く山々の見通しが良くなった雑木林。木の実を採ったり、秋の花を愛でながら、すっかり冬の気配に包まれた夕暮れの里山を二人と一匹で歩くこと一時間余り。晩秋の信州でとっておきの時間をプレゼントしてくれたノンは、帰るときも駐車場にチョコンと座り、お見送りをしてくれたのでした。ノン、また来るかんね。

茶房 読書の森



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by sanzokuame | 2008-11-18 20:56 | 今日のニャンコ、たまにワンコ


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