むそう庵のたまごとじそば

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歳末多事多端。
寒さもひとしお厳しくなってくると、年越しを待てずに食べたくなってくるのが温かい蕎麦。
賑やかな喧騒飛び交う市井の蕎麦屋もいいが、たまには一人静かに落ち着ける店で。
そんな条件を見事に満たしてくれるのが、ここ新町のむそう庵。

古民家を改築した趣きある店舗。
暖簾を潜ると、出迎えてくれたのは優しげな老婦人。
上がり框で靴を脱ぎ、冬の陽射しが明るい廊下を渡ると、書院造りの座敷に案内される。
欄間、床の間、付け書院・・・その見事なまでの意匠に見入り、つい品書きを開くのも忘れてしまう。
「さてと、今日は何にしようか・・・」
温かい蕎麦の頁を開き、ひと思案。
天ぷら、鴨では少し重い。
ちょうどいい感じのは・・・お、たまごとじか。
カラダにもココロにも優しそうな一杯。
なんだか今日はそんな気分。

時計の針は間もなく2時。
昼時の客も終り、広い座敷にポツンと、ひとりきり。
廊下の向こうの庭を眺めながら、音のない座敷で贅沢な時間を過ごす。
時折、野鳥が飛んで来ては庭木の赤い実をついばみ、そしてまた忙しく飛び去っていく。
b0011185_12254712.jpgもう少し居てくれてもいいのに。

やがて廊下の奥から聞こえてきたのは、案内された時にも聞いた間隔の短い足音。
「おまちどうさま」
テーブルに置かれた、玉子とじと湯葉の乗った蕎麦。
庭の景色が湯気でぼやけた。

石挽き蕎麦 むそう庵
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by sanzokuame | 2007-12-19 13:02 | 食してナンボ


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