「相撲の元祖」として称えられる「野見宿禰」(のみのすくね)を祭神とする藤岡市本郷の
土師神社(どしじんじゃ)。
快晴の秋空の下、「本郷寺山獅子舞」、「花馬」、「流鏑馬」が奉納される秋祭りが本日行われました。
「花馬」は、紙で作った色とりどりの花や幣束、榊などで馬の背を飾り、養蚕の栄を願う伝統行事です。
その昔、神社周辺を練り歩いた後に馬を放ち、暴れる馬から花や幣束を抜き取った人は縁起が良く、その年、
その家の蚕の育ちや繭の出来具合が良くなるとされていました。
土師神社への奉納は、今でも伝承されている獅子舞と太々神楽のほかに、花馬、流鏑馬も行われていましたが、
農業の機械化で農耕馬が姿を消し、昭和35年を最後に花馬と流鏑馬は行われなくなっていました。
「昔から受け継がれていた行事が、このままでは永遠に失われてしまう。当時を知る人がいなくなる前に花馬だけでも再現したい。」
との声が地元の人たちからあがり、本郷花馬保存会が組織され、平成13年、21世紀初の午年に併せ、
実に42年振りに花馬が、翌平成14年には流鏑馬も復活となりました。
昼過ぎ、寺山の獅子舞が笛の音に合わせ、太鼓と金棒を打ち鳴らしながら舞を披露した後、花馬(神馬)行列は、
神主を先頭に神社周辺を練り歩きました。現在の交通、住宅事情などにより馬を放つことはなくなりましたが、
神社周辺には多くの見物客やアマチュアカメラマンが訪れ、年々その数を増やしています。
何とも歴史と風情を感じさせるこの行事、未来永劫残していただきたいものです。
ちなみに「小笠原流流鏑馬」を毎年披露してくれているのは、日光古式馬術保存会のプロの皆さん。
迫力満点、そして余りに速く、鮮やかなその馬さばき。
的を射るその瞬間は、とても私のカメラには収まりませんでした・・・。
これが精一杯の一枚ですので、どうかご勘弁を。