夢まぼろしの風の盆

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8月28日(金)、19:00。
仕事を片付け、帰宅してからの旅の準備。
事前の用意周到な旅支度って苦手なんです・・・
バッグに積み込んだのは、着替えにカメラに三脚にガイドブックやら、あれやこれや。
車には淹れたてのブラック珈琲の入ったテルモスと寝袋。
そして、二列目三列目のシートの左半分を畳み、いつもの自転車をヨッコラセと。
坂の町、八尾ではコイツがとても重宝します。
ようやく積み込みを終え、日曜の夜までおあずけの我が家の湯船につかりながら、
忘れ物はないかと頭の中でチェックチェック。
「とうちゃん、日曜まで帰ってこないかんね」にも「ふーん、あっそ」と、つれない返事の
子供ら(・・・)と夕飯を食べて、僅かばかりの仮眠を取って。
日付の変わった深夜2:00、藤岡ICから一路富山を目指します。

さすがに空いている真夜中の上信越道を飛ぶように北上し、上越JCTから進路を西に。
右の車窓に広がるはずの日本海は、まだ漆黒の眠りの中。
天嶮、親不知で高速と別れ、国道8号で向かったのは越中宮崎駅近くのヒスイ海岸。
ようやく空が白んできた青い海岸でヒスイを探しながらちょっとひと休み。
ここに来るのは二度目ですが、いまだにヒスイの“正解”がよく判りません・・・
緑がかった乳白色、高い硬度でそれほど角が取れてなく、比重も重い・・・
それっぽいのをいくつか拾って、朝日ICから再び高速に。

街外れの富山ICを降り、まずは富山駅へ。
3月に続き、今年二度目の富山の街。
半年前をなぞるように朝飯には駅そばを食べ、路面電車を撮ったあとは岩瀬の海も再訪。
眠気と穏やかな陽気にすっかりまどろんでいると、時計はあっという間に昼時に。
本日のエンゲル係数はここに一点集中!
向かったのは3月の時にピックアップしていた地元で人気の寿司屋です。
(この行間は別記事で)
旨い!旨すぎる!
群馬じゃ考えられないレベル・・・というか、未知の領域・・・
「海なし県のバカヤロー!」
お腹も満足、そしてようやく八尾に向かいます。

まずは越中八尾駅へ。
車での旅行の場合も、私はまずその町の駅を訪ねることにしています。
町の玄関口であるのはもちろん、駅前の雰囲気から町全体の様子が窺い知れるような気がします。
駅舎も駅前通りも雪洞の飾り付けが終わり、すっかりおわらモード。
まだ前夜祭の昼下がりなので人も疎らですが、嵐の前の静けさ的な空気が漂っています。
(テツな記事もまたあとで)

前夜祭の期間の駐車場は、町の中心部にも程近い「町民ひろば」。
車を停めると早速身支度を整え、自転車にまたがり聞名寺への坂を上ります。
まだ町歩きの観光客が少ないうちに三年振りの八尾の町を自転車のまま軽く一周。
もちろん美観の保たれた昔ながらの街並みに目立った変化など見られず。
2003年、2006年と三年毎に訪ねている八尾ですが、月日の経過をほとんど感じさせないのも
この町の魅力のひとつです。
町をひと回りしたところで自転車を図書館の駐輪場に預け、いよいよ町歩き。
商店の並ぶ大通りも細い路地も、全てが絵になる八尾の町ですが、やはり一番のビューポイントは
石畳の道の両側にエンナカの流れる諏訪町通り。
迫る夕暮れに呼応するかのようにポツリポツリと点いてゆく雪洞は、まさに幽玄のひと言。
11の町(支部)が当番制で20時から“町流し”を披露する前夜祭。
この日の当番を諏訪町が務めることも手伝い、18時頃から通りは多くの観光客で埋め尽くされました。
私も町の公民館前でスタンバっていたのですが、いつの間にやら空が泣き出し・・・

そう、おわらの天敵は雨。

胡弓に三味線、大事な楽器を守るため、一滴の雨でも中止となる町流し。
多くの観光客、いや、誰よりも1年を通して練習してきた地元の方々の願いも虚しく、
さらに雨足が強まってきた20時前に本日の町流しは中止と決定。
残念ながら三年振りのおわらは夢まぼろしに終わりました・・・
代わりに観光会館前の屋根つき特設ステージで踊りが披露されるとアナウンスがありましたが、
我先に!と一斉に駆け出す多くの観光客のテンションにはとてもついてゆけず・・・
あきらかにキャパオーバー、人の背中しか見えないことは判ってましたしね。
あわよくばと、もうひとつの当番である上新町の公民館での披露に向かいましたが、
やはり踊り子など見えるわけもなく・・・
人垣の隙間に何とか撮れたのは、たった一枚。
それ以上は人混みに身を預けるのも億劫になり、再び静けさを取り戻した諏訪町通りに。

かすかに聞こえてくる哀愁帯びた調べに耳を傾けながら、「これもひとつのおわらなのかな」と。
はて、次はいつ来れるだろうと、そぼ降る雨の中でしばし佇んだ後、静かに八尾の町を後にしました。



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by sanzokuame | 2009-09-04 14:02 | 日本のカタチ


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